©  by Tomonari Yashiro, The author of Innovation Management : Strategic Thinking for Process and Team Orchestration

February 28, 2018

January 30, 2018

Please reload

最新記事
ブログ趣旨

本末転倒であってはならない知財交渉のスピード

January 29, 2018

筆者は近年、共同研究契約を結ぶ交渉に直接、間接の関わることが多くあります。そこで、常に議論の対象になるのが知財の取扱いです。双方の主張には、相応の合理性があり、それだけに折り合いをつけるのに交渉によるすりあわせが必要になります。

 

問題はその交渉のスピードです。最近、企業や大学の知財管理部門が、契約条文上の精緻さを追究し、ふと気づくと、蓋然性の低い事象の取扱いにかかわる交渉に多大な時間を費やしているというケースに遭遇します。研究開発の担当者としては、「いいかげんにしてくれ、これでは、機会を失ってしまうのではないか」というじりじりとした思いにかられること、たびたびです。というのは、旬のテーマであればあるほど、交渉の当事者同士でない世界の誰かが、着々と事を進めている可能性があるからです。

 

 

図版出典:http://www.la-fontaine-ch-thierry.net/voleuran.htm

 

ここで、思いおこされるのがイソップの寓話です。もともとは、ライオン、熊、きつねの間での西洋版「漁夫の利」ともいうべきストーリーだったようですが、La Fontaine's Fables はこれを、上の絵のように二人の盗人が盗んだロバの取扱で争っているうちに、三人目の盗人がそのロバを持ち去ってしまうというストーリーに変えたようです。

この絵は、知財交渉で必要以上のヒートアップしてしまい、肝心な研究開発が開始できないうちに、第三者のライバルが抜き去ってしまっている状況をも想像させる絵です。

知財のかかわる交渉は重要ですが、そこに一生懸命になりすぎると、技術開発チームの組成、活動が遅れ、機会を失うおそれがあります。拙著で述べているように、プロセスの進行速度は、現代イノベーションにとって重要なパフォーマンスです。

オープン・イノベーションの時代に、大局を失わないためには、双方の信頼関係を醸成しつつ、素早く原則を合意した上でチームを組成して素早く研究開発に着手しプロセスを推進させるとともに、原則からはずれる事象が生じたときは走りながら解決していく仕組み、言い替えれば、チーム組成の取引コストを最小化する仕組み

を作り運用する工夫が不可欠です。

 

 

 

 

 

 

 

Please reload

カテゴリー