BrexitとSticky Information


昨年はBrexitに始まり、驚くべきコトが次々と起きました。

いよいよ、英国とEUとの離脱交渉も本格化するそうです。

投資をして英国内に工場を設けた企業がEU地域に移転してしまうのか? あるいは

金融センターも、ロンドン・シティから、フランクフルトや、アムステルダムやダブリンに移ってしまうのか? 様々な憶測が流れているようです。

こうしたことを考えるうえで、Sticky Information (固着情報)という概念は参考になるように思われます。

英国がEUの単一市場の域外になってしまうことは、英国内に工場をもつ日系企業にとって、好ましいものではありません。いままでかからなかった関税や、新たに発生する貿易上の障壁が深刻であると、「何のために英国に投資したのだ!」という思いが、日系企業の経営者によぎらないといえば嘘になるでしょう。

しかしです。昨年暮れから、日産、ホンダを初めとして、今後も英国での投資、操業を続けていく意向を示している企業が表れてきました。ちょっと検索をかけてみても次のような記事が出てきます。

Nissan will build new Qashqai, add X-Trail at UK plant

Honda commits to UK despite Brexit

Nissan, Toyota back U.K. plants despite May’s Brexit plan

日本の自動車企業が、Brexit後も英国にとどまる理由の一つに、そうそう簡単には移転しづらい情報、知識(Sticky Information)が、Sunderland(日産)、Derby (トヨタ)、Swindon(ホンダ)に貼り付いていることがあるように思われます。

「工場設備の移転というハードウエアの移転コストだけでなく、Subderland, Derby, Swindonに集約された情報、知識の移転コストを考慮するならば、知識、情報の集約した知に腰を据えて、関税や貿易障害による負のコストを乗り越える努力に傾注した方が良い」、そういう判断を日系企業がしたのではないかとも想像されます。

そして、金融についても、同様のことがいえるのかもしれません。

「ロンドン・シティに貼り付いた固着情報、知識はそうそう簡単に移転できるものではない。その情報、知識の地理的集約が、企業にとって魅力的である限りは、ロンドンが、フランクフルトやアムステルダムやダブリンに負けるはずがない」こう語る英国人に先日お目にかかりましたが、Sticky Informationという概念を下敷きに考えれば、そのご発言には説得力があるよういに思えました。

ブログ趣旨

日々変わりゆく、現代イノベーションの諸様相を、拙著を下敷きに負っていきます

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