©  by Tomonari Yashiro, The author of Innovation Management : Strategic Thinking for Process and Team Orchestration

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イマジネーションとイノベーション

June 25, 2016

拙著では、できるだけ事例を交えながら、論旨を展開しようとしましたが、エビデンスとなる資料が不足しているために、所収できなかった事例が沢山あります。

例えば、いま私たちが使っているSuica、Pasmoなどを使った自動改札システム。

そこでは、 電磁誘導による無線電力伝送技術が使われています。

では、そもそも、無線で電力電送するという技術はどのあたりから出てきたのか?そこで、筆者が突き当たった情報が、1950年代東京大学生産技術研究所が宇宙開発研究に取り組んでいたおりに、「 ロケット、衛星等を制御、探索するために無線で電力電送の基本原理が構想されていた。」というものでした。しかし、確証がないので掲載しませんでした。

このように真偽は不明ですが、このお話は、イマジネーションがイノベーションの出発点になっているという意味で魅力的です。

こういうこと(=ロケットを飛翔させて何らかの観測をしてデータを収集したい)を実現したいというシナリオがまず構想されて、そこから次々と技術が開発されていくというプロセスです。拙著流に表現するならば、「科学的発見・技術開発」がまずあるのではなく、まず「概念・解決策の創造」が先行して「科学的発見・技術開発」を誘引するというプロセスです。いわば、こういうことを実現したいという構想力、夢を紡ぐイマジネーションが、やがてイノベーションになっていく、というお話でとてもロマンチックなのです。

 

周知のように、今日、私たちが使っているSuica、Pasmoは、有村国孝氏が1970年に取得した特許「能動素子を含み外部からの入力に応答して識別用の新たな信号を発生する集積回路を識別装置として本体に埋設して成る識別カード」を出発点にしているといわれています。これもまた原典がたどれず拙著への掲載をあきらめたのですが、有村国孝氏は米国でクレジットカードの隆盛という現実と、磁気カードの記憶容量の限界を重ね合わせて考えたことから、特許の基本着想を構想した、という記述を見たことがあります。もし、これが事実だとすれば、FeliCaカードは、イマジネーションがイノベーションを生み出したといえます。

 

もし、以上のそれぞれのお話が事実であるならば、私たちが毎日用いているSuica、Pasmoによる開発機能の高度化や電子マネーへの発展はイマジネーションが生み出したイノベーションの好例ということになります。

 

よく「技術の独創性」は、科学や技術の新奇性だけではなく、新たな概念・解決策を構想していくことからも生まれる、ともいえましょう

高校の物理・化学・生物が無味乾燥だから工学部にはいかないという生徒が夥しくいると仄聞するのですが、夢を実現したお話に触れる機会がないためではないか心配しています。

イマジネーションからイノベーションが生まれていくわくわく感を、是非、中高生に伝えていきたいものです。

 

 

 

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