©  by Tomonari Yashiro, The author of Innovation Management : Strategic Thinking for Process and Team Orchestration

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デザインに駆動されたイノベーション・アプローチの息吹

June 15, 2016

 

拙著では、7章でデザインがいかにイノベーションを励起するのかを解説しました。その一つのアプローチとして、デザインに駆動されたイノベーション・アプローチ (design driven innovation)の概念や、その事例を紹介しました。ただ、なかなか日本での分かりやすい例がなく、執筆時に随分思案しました。

 

6月14日付日経新聞朝刊に、次のような記事が出ていました。

個性的な扇風機 

 

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO03537270T10C16A6TJH000/

http://www.nikkei.com/news/image-article/?R_FLG=0&ad=DSKDZO0353801013062016TJH000&ng=DGKKZO03537270T10C16A6TJH000&z=20160614

 

さて、この記事で紹介されている、「パナソニックのキューF―BM25T」は、なかなか面白いです。サッカーボールのような独特の形状は、私たちが「扇風機」という言葉から抱くアイコンを大きく逸脱していて、拙著でもdesign driven innovationの事例として取り上げたArtemide社の照明を彷彿させます。まさに、インテリアの一要素としての「新しい意味」を創造しようとしています。

ただ、この記事に紹介されている、英ダイソン「ピュアクールリンク」には「新しい意味」の開発という点で一日の長があるように思われます。創ろうとしている「意味」と、提供する「機能」の整合度が「キューF―BM25T」よりも高いのです。単に新奇であるだけでなく、デザインが首尾一貫している(design integrityがある)のです。

「キューF―BM25T」の評判を、いくつかの通販サイトで見てみると、首振り機能が無いなど、送り届ける風の方向性について違和感のある人が少なからずおられるようです。創り出そうとする「意味」をもっと明確にすれば、この製品の機能の設定の考え方に対するユーザーの納得度も高まったような気がします。

 

しかし、とにもかくにも、パナソニックがこういう挑戦をはじめたのはとても素晴らしいこと。発売後1年で社内でどのような評価がされているのか不明ですが、外野の見物人ともいうべき小生から見れば、仮に多少のネガティブな評価があったとしても、それにもめげることなく、むしろ経験を積んでいって「意味の開発力」「意味の発進力」も高め、design driven innovationに挑戦していってもらいたいです。

 

 

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